ガキはもういない

ゲームブックが好きだった。僕が小学生くらいの頃の話。双葉社ファミコン冒険ゲームブックというシリーズがあって、少ないお小遣いをはたいて何冊も買い、破れる程やった。

良質な作品の少なさから粗製濫造と言われ、ゲームブックの衰退にも繋がったと指摘されることも多々ある。
冒険ゲームブックシリーズ - Wikipedia

今、wikipediaで調べるとしょんぼりする内容が書かれているけど、僕にとっては凄く好きなシリーズだった。だいたい、「多々ある」と言ってるけど、そもそもファミコン冒険ゲームブックが僕の人生の中で話題にのぼったことはほとんど無いような。


最近、何冊かこのシリーズの本を買った。懐かしさがこみ上げたけど、たぶんプレイはしないだろう。懐かしさは、当時抱いていたドキドキする気持ちとは全く違う。今はもう、主人公に深く感情移入することはできないし、古くさくなってしまった絵柄の女の子を見ても、「昔の絵はよかったなぁ」という年寄り臭い感情しか湧かない。

ゲームブック貝獣物語」のラストシーンを思い出す。
ラスボスを倒して辛い現実に帰ってきた主人公への、仲間からのメッセージ。

「そうさ、僕らは一緒さ。いつまでも。」
僕は貝を握りしめ、微笑んだ。
貝獣物語 - Wikipedia